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モン・サン・ミッシェル
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5日目:2008年10月13日(土)

■ まずは、レンヌへ…

 今日はモン・サン・ミッシェルへ1泊2日のショートステイに向かう。1泊分空くので、スーツケースに荷物をまとめ、一泊分の荷物をバッグに詰めて、出発。
 昨夜、しっかりフロントのお兄ちゃんに「6時半に出発したい!」と言うことを伝えておいたおかげで、フロントに降りると、起きて待っていてくれた。スーツケースもここに預けていく(予約時にOKをもらっていた)。が、支払いで手間取った。私は今日までの分を支払い、残りは最終日に…と思っていたのだけど、総額を請求されたのだ。多分、そうすれば、最終日の支払いはないんだろうけど、不安になったので、とりあえず、今日まで分を!と何度か説明して、了解をとった。
 少々出発に手間取ったので、予定より15分遅れの6時45分にホテルを出発。外はやっぱり真っ暗だ。歩いてOdeon駅に向かい、4番線に乗ってモンパルナス駅へと移動した。
 モンパルナス駅は大きな駅で人の流れに乗って、どんどん地上へとあがり、そのまま、ホームへ…。まだ30分ほど時間に余裕があり、まだ電光掲示板にホーム番号は出ていないので、カフェに入って温かい物を飲みながら待つ事にした。あまりお客さんも多くなく、程よい感じで、ゆっくりできた。
 改めてホームに向かうと、電光掲示板にホーム番号が出ていた! 5番線だ。私たちが予約してある20号車は一番前(奥側)で、かなり歩いて歩いて歩いて…遠い。他にも日本人のお客さんもたくさんいる。
 電車は7時35分定刻通りに出発。窓の外はまだ暗い。そうこうしているうちにチケットの検札がきた。チケットはネットで予約しておいた格安チケット、PREM'S(家でプリントアウトが可能)。変更等がきかないので、私の隣の席は元々予約していた友人の席。母の席は別なのだけど、何か言われたら友人のチケットも見せて説明すればいいか…と安心していた。待ちながら、ボーっと家で印刷してきたチケットを見ていると、母のチケットの電車の時間が間違えていることが判明! ヤバイかも。先にチェックされていた他に乗車していた日本人の子達も同じPREM'Sのチケットで、でも、パスポートチェックがかかってなかった! それなら…と、笑顔で私のと友人のチケットを見せたら、それでOKだった。パスポートチェックがあったらアウトだったよ。PREM'Sは変更ができないし、もし不可だったら、罰金が課せられていた可能性が高かったので、本当よかった…。
 9時49分レンヌに到着。モン・サン・ミッシェルへのバスは11時半発なので、レンヌでふらふらすることに。先に乗り場だけチェック。観光案内所(多分)で先にバスチケットが買えないか確認したが、バスの運転手から購入するように言われた。
 レンヌの町もステキな町だって聞いていたので、楽しみにしていたのだけど…地図が入っているガイドブック…地球の歩き方をホテルのスーツケースに置いてきてしまった…。重いからといって、薄くて軽いガイドブックだけを今回持ってきたのだ。どっちに行けば旧市街があって、どこに行けば何があるかもわからない。わからないままにとりあえず、ふらふらと歩いて進んでいく。
 朝がまだ早いせいか、お店はほとんど開いておらず、気の向くままに歩く。ステキな建物もいっぱいあり、多分、間違いなく観光スポットにきているようだ。が、何がなんだかわからない…。
 わからないまま1時間ほどふらついて、バス乗り場に戻る。あと30分ほどあるけど、待ってればいっか…とベンチに座って待っていた。しばらくすると、1人、2人と少しずつ人が集まってくる。列もできはじめる。このままベンチに座っていたら、一番に待っていたのに乗れなくなってしまう…と立ち上がって列に並んだ。まだ数人目だ。
 出発の15分前ほどになるとバスがやってきた。順番に乗り込んでいく。私も母と二人分のバス代を支払い、乗り込む。バスの座席はもちろん通路左側! 瞬く間にバスに周りには乗車希望者が集まってきて、乗り込んでくる。日本人もたくさんいる。順番に乗っていると、最後2組ほどが座れず、おろされていた。電光掲示板には2番乗り場にもモン・サン・ミッシェル行きがくるようなことが書いてあったけど、本当にくるんだろうか。



■ モン・サン・ミッシェルに到着

 バスの中からよく見えるという左側をキープしたおかげで、段々大きく見えてくるモン・サン・ミッシェルがずっと見えていて、バスの中からテンションがあがる。バスからモン・サン・ミッシェルの入口側でおりて、早速、中に入る。要塞として使われていた跡であることがよくわかる城壁や頑丈な門がある。気分はミナス・ティリス(ゴンドールの都@ロード・オブ・ザ・リング)に入っていく感じ。もちろん、観光地なので、のんびりモードだけど。
 今日泊まるホテルのフロントは王の門をくぐったすぐの階段を左手に上がったところにある。中に入ると、既に日本人旅行者がチェックインをしていた。どうやら、予約の確認ができず手間取っているらしい。彼女たちの手続きが終わったら、予約している旨を伝え、荷物を預かって欲しいと頼んだ。予約した際のメールのコピーを渡すと、すぐにリストが見つかったようで、荷物はフロントの横に置いておくように言われた。チェックインは午後からだそうだ。
 今日は修道院の中の見学はしない予定だったので、モン・サン・ミッシェルの中をふらふらと見て回る。Grande Rueというメインストリートにはお土産屋さんも建ち並ぶがあっという間に見終わってしまう。とりあえず、おなかが空いたので、Grande Rueにあったカフェに入ってサンドイッチを食べる。気楽に食べれるお店があるのが助かる。
 食事をして、また、あちこち歩いて…モン・サン・ミッシェルに入ってすぐのところにあった、La Posteで切手を買ったり、ポストカードを購入したりしても、時間が余るので、結局、テコテコと対岸まで歩く事にした。



■ 対岸へ

 現在、対岸とのアクセスを橋にするように工事中らしいが、現在は埋め立ての道路で繋がっている。これがあるせいで、どんどん砂がたまってしまっていっているらしく、かつては見ることができた馬が駆けるほどの速度で押し寄せてくる水を見ることができなくなったため、橋にすることになったらしい。確かに、もっと水の中に浮かぶ城(修道院だけど)というイメージかと思ったら、対岸と地続きなのがビックリだった。
 さっきはバスに乗ってきた道を歩いていく。途中、放牧されている羊さんたちの群に会った。この辺はミネラルを含んだ草が豊富なため、羊さんたちが放牧されているらしい。昔、モン・サン・ミッシェルの写真を見たときに、「なんで、羊とモン・サン・ミッシェルなんだろう?」と思ったら、実際にいる風景だったのだ。可愛いな〜。母と二人で写真の撮り合いっこをしていると、散歩していた老婦人が「撮りましょうか?」と声をかけてくださったので、お願いした。個人旅行において、二人でうつる写真は貴重。
 歩いて30分くらいかな〜。ようやく対岸に到着。バスでくる途中に確かスーパーがあったから…とスーパーに向かう。モン・サン・ミッシェル内で売っているものと同じようなものが並ぶが、断然こっちのが安い。お土産に…とモン・サン・ミッシェルのクッキーやゲランドの塩、塩キャラメルなどをまとめ買い。ここまで歩いてきた甲斐があるってものだ。スーパーにはほどほどに綺麗なお手洗いもあったので、用も足せてホッとした。また30分かけて風吹く寒い中、戻らないといけないので、スッキリしておかねば。
 お買い物も満足できたし、またモン・サン・ミッシェルへと戻る。ゆっくり歩きながら向かうのもいい。少なくともかつての巡礼者たちは引き潮の際に急ぎ歩いて(馬で?)渡ったに違いない。



■ Hotel Les Terrasses Poulard

 モン・サン・ミッシェルに戻ったら、ホテルにチェックインに向かう。絶対、島内のホテルに泊まりたかったので、今回の旅行で一番のこだわりだ。パリのホテルより、全体的に設定金額が安いので、三ツ星のホテルを選んでみた。
 フロントに行って、チェックインしたい旨を伝えるとすぐに対応してもらえた。お部屋はこのフロントがある建物を出て、階段をあがって、右手にいき、またもう一度階段を上がって、右手に行った場所にある建物だという。渡された鍵にはルームキーとその建物に入るためのパスワードが書いてあるカードがついていた。朝食はまた違う建物で、Grande Rueにあるらしい。あとでわかったことだけど、島内のホテルは大体、あちこちに点在する形になっているらしい。もちろん、このフロントがある建物の中にも客室はあるらしいし、朝食をとる建物にも客室がある。
 フロントに預けていた荷物を受け取り、言われたとおりに上がっていくと、Hotel Les Terrasses Poulardの看板が出ている建物があった。早速入口で暗証番号を入力して入る。入ってすぐに階段があり、左手に2,3段降りると、ロビーのようなスペースが。右手の階段を上がっていくと客室があるらしい。私たちの部屋は307号室ということで、3階に。入ると斜面に建っている建物らしく、窓の外はまるで1階にいるような感じに。ホテルの部屋から海が見えなくてもいいと思っていたので、希望を出さなかったら、こちらは窓から上を眺めると、修道院が見えるお部屋だった。こっちのが嬉しい!!
 お部屋はピンクを基調としたお部屋でとっても可愛い。そして、とても広い!! 母も大喜びだ。いいホテルが予約できて本当によかった。ホテルのお部屋は泊まってみないとわからないからね。
 いっぱい歩いて疲れていたので、休みがてら、友達にハガキを書く。モン・サン・ミッシェルのポストに手紙を出すと、モン・サン・ミッシェルの消印が押されて届くのだ。



■ 馬が駆ける速度?

 ゆっくり休んだら、また散策がてら晩ご飯を食べる場所を探しに行く。この日の満潮は19時10分なので、その前には外に出ておきたいし…ということで、早めの夕食だ。
 Grande rueをぶらぶらしながら物色。どこも同じような雰囲気だけど…干潟側に窓はないけど、落ち着いた雰囲気のお見店に入ることにした。メニューを見て、悩んで…結局、スープをそれぞれ一つずつとピザを頼む事にした。そして、飲み物にシードルを。りんごのお酒で、この辺り…ノルマンディのお酒なんだとか。イメージとしては、シャンパングラスに入っているイメージだったのだけど、届いたのはボウルに入った飲み物…。ビックリ。でも、味はりんごのお酒で程よく甘くて美味しい。母に「それ何?」と聞かれ、そのことを答えたら「なんで先に教えてくれなかったの! お母さんもそれが飲みたかった」と怒られた。いや、メニューを見て、本当にそれか自信がなかったからなんだけど…。そんな母はビールを頼んでいた。
 日も暮れてきたことだし…と、島を出て、ちょっと離れた道へ移動する。既に潮が満ちてきているのか、さっき歩いた時より随分海面があがってきている。その速度は…馬が駆けるほどではないけど、見る見るうちに…といった感じだ。あいにくの曇り空だったので、夕焼けに浮かぶモン・サン・ミッシェルは見えないけど、薄暗い中、たたずむ姿はなかなかの迫力だ。ふと気がつけば、さっきまで観光バスなどがとまっていた駐車場は既に水没しており、モン・サン・ミッシェルに入るための入口もギリギリまで水面が迫ってきている。なかなか危険地帯だ。それにしても、日が暮れるととにかく寒い。このままライトアップされるまで待つつもりだけど、なかなか厳しい。
 あっちへふらふら、こっちへふらふらしつつ、最終的には塀の上に座ってボーっと待つ。母から「まだいるの?」「いつまでいるの?」と何度も聞かれる。そうこうしているうちに辺りは闇に包まれ、モン・サン・ミッシェルが光の中に浮かび上がった。この姿が見たかったのだ。本当は海面に映ってもっと綺麗なはずだったのだけど、この日は残念ながら少し風があり、水面が軽く波立っているためにそれが見れなかった。懐中電灯を片手に母を置いて、てこてこと遠ざかり、撮影ポイントを探す。母を待たせては…という思いもあって、走って、ここかな〜ってところで何枚か撮影。そろそろ…と戻ると、母がかなり泣きそうな顔で「Yuka〜〜」と言いながら近寄ってきた。かなり不安だったらしい…。真っ暗だしね。
 身体も冷えたので、戻る事に。木の桟橋を使って島の入口から入る。明るいところに戻ってきたら、母も安心したのか、ふらふらと城壁に上がってみることにした。ずっと雲に覆われていた空がす〜っと雲がきれ、星空が見えた。街灯も少ないここからは星空が綺麗に見えた。
 ホテルの部屋に帰ると順番にシャワーを浴びることに。お風呂もとても綺麗だし、お湯の出もいいし、ここは本当にいいホテルだ。



6日目:2008年10月14日(日)

■ 修道院

 朝は7時頃に起床し、身支度を整えると、8時頃、朝食を取りに、レストランに向かった。まだ外は暗い。
 レストランに入ると、だ〜れもお客さんがいない。スタッフに朝食を取りにきた旨を伝えると、何も聞かれないまま、窓際の席に案内してくれた。ゆっくり食べていると、だんだん明るくなってきて、干潟がよく見えてきた。ここのレストランは景色がとてもいい。
 部屋に一度戻って、荷造りを済ませ、チェックアウトするためにフロントがある建物に。到着時と同様、荷物をまた預かってもらう。まだ預かり荷物はなく、一番隅っこに二つ置かせてもらった。のんびり歩きながら修道院に向かう。修道院は山の一番上にある。街の中は昼間の喧騒が嘘のように静まりかえっていた。朝がいいというのはこういうことか。修道院入口ではオープンを待っている人たちが集まり始めていた。私たちも一緒に待つ。
 オープンと同時に修道院の中へ。せっかくなので、オーディオガイドを一つ借りて聞く事に。一つを二人で順番に回しながらで充分っぽい。一人が聞いている間、もう一人は写真を撮ったり、ふらふらしたり…。オーディオガイドによると、この修道院には現在も修道女、修道士(もかな?)が暮らしているらしい。そう言われてみると、一番最初に入る大聖堂で、お掃除する修道女たちに出会った。




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